何時、何をどんな風に教えるか?

 あなたがお子さんに英語を教えるとしていつ教え始めたらいいでしょうか。あまり早すぎて、母語としての日本語能力の成長を阻害しないようにしないといけません。本格的に教え始めるのは10歳位がいいと思います。小学校の3年生から4年生の頃ですね。それまでは、少し待ちましょう。そんなには待てないわというお母さんがいるのはしょうがないですね。できるだけ他のうちの子よりも早く始めさせたいと願うのは無理もありません。

 そんなお母さんには、幼稚園の頃から少しずつ英単語を教えるという方法を提案したいと思います。できれば挨拶ぐらいできるようにとか考えない方がいいです。あいさつ程度の英語を覚えたところで後が続きません。よく英会話教室であいさつ程度の英語ができるようになったという人の話を耳にします。外国からの訪問客を一時的に迎えて接待する程度でしたらそれでいいかもしれませんが、これではこれから英語を使って外国人と対等に渡り合うことを目指すお子さんには物足りません。もっとじっくりとした基礎固めをするべきです。

 英語力は単語力だとはよく言われる言葉です。英語で対等にアメリカ人やイギリス人と渡り合うためには2万5千語位は必要です。最低でも、1万5千語位知らないと話になりません。今日から、自分の子供に1万5千語の英単語力を授けることにしましょう。

 一口に1万5千語の英単語を自分の子供に教え込むといっても気が遠くなると思います。このブログは英語が不得意なお父さんお母さんが自分の子供に英語を教えるということがテーマですので、多分お母様の現在の英単語力は1000語も行っていないのではないでしょうか。もし、中学の英語の教科書を開いてみて知らない単語が1つも見当たらないのなら多分英単語力は1200語位はあると思います。私は、そういうお母さんではなくて、中2の英語の教科書を開くともういけませんという方を対象にしています。そういうお母さんを相手にして話を進めようとしています。中1位までは英語はまーまー分かったけど、中2になったらさっぱりで、中3になるとかなり不得意となり、高校生になると英語の授業を受けるのはただの苦痛でしかなかったという方です。

 皆さんは日本語はどうやって覚えましたか。ひらがな、カタカナを覚えて、少しづつ漢字を覚えて行ったと思います。ある程度の漢字が頭に入っていないと日本語の文章を読むこともままなりません。英語でも同じです。英単語を見て1つ1つ単語を確認しないと読めないというのではだめです。でも、今の小学生、中学生、高校生、あるいは大学生もそうなんです。日本の学生は知らない単語が出てきたら辞書で調べないと読めないんです。辞書で調べると英単語には発音記号を使って読み方が書かれていますが、この発音記号が理解できないと実は辞書を引いても、読み方さえ分からないんです。大抵の生徒は学校の先生が英語の文を読んでくれた時にそれを聞いていて読み方をカタカナで書いているんです。つまり、学校の先生、あるいは塾の先生が一旦読んでくれないと読めないんです。でも、それですぐに覚えてしまうという記憶力のいい子ならいいのですが、その読み方をすぐに忘れてしまいます。そうすると、もうどうにもなりません。だから、発音記号を理解する必要があるんですが、その前に知っておくべきことがあるんです。実は英語の単語はほとんどの場合、つづり字を見ればどうやって読むかは分かります。

 多分えーそんなぁと思った方がほとんどだと思います。日本の中学ではそんなことは教えてくれません。なんででしょうか。それは、アメリカやイギリスのカリキュラムの中に入っていないからなんです。アメリカやイギリスでも英単語の読み方を教えてくれないんでしょうか。そんなことはありません。これは家庭学習で学校に上がる前に自宅でお母さんが教えます。だから英語圏育ちの子供たちは英単語の綴りを見れば大体読めます。大体といったのは例外があるからです。欧米の言語の中で一番この例外が多いのが英語でしょう。ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語などは綴りを見れば読めます。ところが英語は例外が多いのです。かつてノーベル文学賞を受賞した有名なバーナードショウという方は、英語の綴りが余りにも不規則なので、「英語は書いてない通りに読む」と嘆いたそうです。日本の英語の先生も英単語と読み方の関係を知らないようです。誰からも教わったことがないからです。

 それでもやはり規則はあります。英語の綴りと読み方の関係はフォニックス(phnics)と言います。英語綴りと発音の関係を教える教授法と言ったらいいでしょうか。このフォニックスの規則を身に着けると大体の英単語は正しく読むことができます。正しく読める単語は記憶に定着しやすいんです。読めない英単語を覚えようとしてノートに100回書いても直ぐに忘れてしまいますが、正しく読めた英単語はそんな力技を必要としません。パット見て、正しく発音できる英単語は直ぐに頭に定着してしまうんです。

 私はお子さんが幼稚園に上がるころからお母さんがフォニックスの練習をしてお子さんと英語を一緒に学ぶのがいいと思っています。英単語の読み方練習ですので、ほんの習い事程度の感覚で始められます。英単語の読み方の練習ですので、日本語の発達を阻害するという心配もありません。幼稚園からフォニックスを始めて、小学校で英語を練習しだす4年生の辺りまでに2000語をマスターしてしまいましょう。中学校で5000語です。大学入試の共通試験レベルは、中学でクリアです。高校生のうちに1万2千語を目指しましょう。

 ただしちょっと怖いことがあります。それは例外の読み方は中学校に入って勉強する基本英単語に多いんです。ですから、この英語の読み方の規則を教えても、お母さんがあー言っていたけど、当てはまらないなぁってことの繰り返しで、結局お母さんは英語を知らないからなーって事になってしまいます。このことだけは予め言い聞かせておく必要があります。それから難題はローマ字です。小学校の4年生になり英語を本格的に習い始めるころにローマ字教育が入り込んできます。このローマ字教育は子供の頭を大混乱に陥れてしまいます。なんででしょうか?ローマ字は英語ではないからです。ローマ字はあくまで日本語です。ところが英語と同じアルファベットを使っています。ですから、子供の頭の中はあれ?ローマ字って英語なの?っていう疑いが生じてしまいます。ところがローマ字の読み方の規則は英語とは相いれません。全くの日本語です。今の日本の学校ではローマ字教育が大体小学校の4年生で始まり、英語も4年生の辺りで始まることになります。

 ですから、学校に任せているとあなたのお子さんの頭は大混乱に陥ることでしょう。フォニックスの英単語の学習は幼稚園で初めてローマ字教育が始まるまでに英語の綴りの規則が頭にがっちりと入った状態にしてください。中学校で勉強をする例外的なたくさんの基本語もその時までに、例外としてきちんと教えこんでしまいましょう。

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