フォニックスの実践(3 子音の連続)

フォニックス<綴りと発音の関係>

 前回は、子音+母音+子音の音の塊について学びました。子音部が1つの子音で、母音も1つの母音の場合で、最後にeが付いているかどうかが、重要な意味を持っていました。しかし、子音が複数個並び、母音も複数個並ぶこともあります。今回勉強するのは、母音の前後の子音のどちらかが、あるいは両方が複数個の場合です。

 子音が複数個並んでいる場合は、その複数個が混然一体となって1つの文字のように音を出す場合があります。この場合は、並んだ順に素早く、まるで1つの文字であるかのように一気に読みます(子音のブレンド)。それから、複数個の子音が全く違う1つの音を新しく生み出すことがあります(子音ダイグラフ:digraph:二重字)。  

子音のダイグラフ:ch

 chの音には、/ʃ/、/ʧ/、/k/の場合があります/ʃ/と発音するのはほとんどがフランス語起源の単語です。chef、chicなどがその代表例です。chefは/ʃef/(シェフ)、chic(上品な)は/ʃi:k/あるいは、/ʃɪk/となります。chを/ʧ/と読むのは一番一般的です。chimeは/ʧaɪm/(チャイム)となります。chestは「チェスト」です。発音記号は/ʧəst/になります。stはただ子音を並べているだけなので勢いよく「スト」と発音します。ただし、日本人は子音に母音を付けてしまう癖がありますので要注意です。chを/k/と発音する単語はたくさんあるのですが、中心にある母音を1つに限定したり、単音節の単語となるといい例が見つかりません。ここは前提をちょっと崩して二重母音の場合と、音節がいくつかつながった場合の例を示しておきます。schoolは、chが/k/の音で、sを添えています。真ん中にあるのが二重母音でooは/u:/(ウー)で、合わせると/sku:l/(スクール)です。chemistryは音節に分けると、chem-is-tryとなります。一番先頭のchemだけ説明するとchの音が/k/で、全部合わせると/keməstri/(ケマストリ:化学)となります。

 ここまでは、子音+母音+子音を基本にして、子音に関しては普通に連続して読むか、一体化して他の音が生み出されているというだけで、母音の部分はなるべく1つの場合に限定してきたのですが、ここからは二重母音についても例に挙げることにします(その場合は、その都度説明します。二重母音については別の稿で改めて説明する予定です)。それから、複数の音節がつながっている場合についても徐々に取り上げていくことにします。音節がつながるとそこで前の音節の最後の音と、後に続く先頭の音が化学反応をして、音の変化が生じますので、今までは注意深く説明を避けていました。しかし、そうすると、例に挙げる単語が極端に限定されてしまいますので、少し例を広げていきたいと思います。注意が必要な場合はその都度説明します。

 ネイティブの英語話者は複数の単語をまるで1固まりの長い単語のように発音しますが、この時並んだ英単語の間で様々な化学変化が起こります。複数の音節をつなげて1つの単語を生み出す時も全く同じことが起っています。これは非常に興味深いことで、この辺りをマスターしてしまわない限り永久に英語は聞いたり話したりできません。

音声変化1:リエゾン 

 最初の規則はリエゾンとかリンキングとか呼ばれる法則です。これは、2つの単語が並んだ時に前の単語の語尾が子音(の発音)で終わり、後ろの語の語頭が母音発音で始まっている場合に、語尾の子音と語頭の母音が連結するという規則です。ネイティブスピーカー(生まれながらな英語話者)が普通のスピードで話す時は必ずこの現象が発生します。

 take it easy(気楽にやれよ)の場合は、take-it-easyとなります。takeの最後のeは読みませんので、takeiの部分は子音(k)で終わり、母音(i)で始まるという規則になりますので、くっつけて「ティキッ」(/teiki/)となります。tは後ろのeasyとくっついて、teasyは/ti:zi:/となり、合わせると、/teikiti:zi:/となり、「t」の音が「l」の音に変化すると、/teikili:zi:/(テイキリィズィー)となります。慌ててしゃべるときにtの音が「l」に変わりやすいのは、発音する時の舌の位置が、「t、d」と「l」が同じだからです。「t、d」は舌を上の歯の歯茎近くに触れて、離す時に音を出しますが、「l」も口の形としては同じで、違いは舌を押し付けている状態で思い切り息を吐くのです。つまり、「l」は舌を離す前に音を出してしまう訳ですね。これで、「t、d」の音は、素早く発音しようとすると「l」に変化しやすいことが分かりました。この辺りのことは、多分、知らないと(日本の学校だけで英語を学んでいる人は全く教わっていないし、気付いてもいないかも知れませんね)、全くネイティブの英語は分からないはずです。check it outはcheck-it-out(チェケタウ)となります。どうして、「チェケタウト」ではなく、「チェケタウ」なのかは、音声変化3を読んでください。

音声変化2:語尾の子音と語頭の子音が同じときは前の子音が脱落

 前の単語の語尾が子音で終わり、後ろの単語が子音で始まる場合、前の単語の語尾の子音が脱落する現象です。同じ子音の場合は必ず、違う子音でも口の形が同じ子音の場合は頻繁にこの現象が起こります。また、これ以外の場合でも、この現象はかなりの確率で起こります。get downのtとdは口の形が同じですから、getのtが脱落します。get down→get-down→ge-down(ゲッダウン:/gedaʊn/)です。  

音声変化3:最後の子音を発音しないで、その口の形で終わる

 p、b、t、d、k、gのような破裂音が語尾来ると、しばしばこの破裂音が脱落します。例えば、lookのkは破裂音なので、kは脱落して、「ルーッ」となります。しかし、口の形はkの形になります。ここに母音で始まるatのような語が続くと、残っているkの口の形から、atと続けることになるので、katとなります。したがって、look atは/lʊkə/となります。atのtも破裂音ですから脱落します。後ろに母音が続かないときは、このまま消えたきりとなってしまいます。

 音声変化の法則はこれ以外にもまだいくつかあるのですが、それらについてはもし必要があれば、その都度説明していきたいと思います。2つの単語がくっつく時に発生する音声変化は、2つの音節がつながるときにも同じように発生します。ということは、同じことは1つの単語の中でも起きているということになります。little(リトル:小さい)は音節で表現するとlit-tleで、/lit/と/tl/となり、重なっている「t」の音が脱落して、/litl/となり、更にネイティブの発音では「t」が「l」に変わって、/lill/となってしまいます。最後の「ll」は「l」だけになりそうですが、そうはなりません。「ll」のうちの前の「l」は実は「t」なんですよということなんでしょうね。これを「l」1つに省略してしまうと、ここに「t」があったはずという痕跡も消えてしまいますからね。

 suggestという英単語は、「物事をそれとなく示す、暗に示す」という意味で、かなり日本語化していますが、この単語はどうでしょうか。音節に分けるとsug-gestというふうになります。sugは「下へ」という意味の接頭辞で、もともとはsubだったのが、後ろに続くgestに引っ張られて、sugになったものです。gestは「運ぶ」という意味です。こういうのを語根と言います。単語は語根に接頭辞や接尾辞がついて出来ていることが多いようですね。もちろん、語根同士がくっついている場合もあります。sug-gestは先頭のsugが「g」で終わり、それに続く語根のgestが「g」で始まっていますので、sug-gestは/səʤest/と発音します。最初のsugの「g」が消えているのが分かると思います。ただし、これを/səgʤest/と発音する人もかなりの数に上るようです。-gestが「ゲスト」ではなく「ジェスト」なのは、gに「e、i」が続く時は柔らかいg、すなわち「j」になるという法則を適用したものです。

 前置きがかなり長くなってしまいましたが、子音ダイグラフを続けます。

子音ダイグラフ:sh

 shのダイグラフは/ʃ/です。fish=/fi:ʃ/(フィーシュ:魚)、dish=/di:ʃ/(ディーシュ:ごちそう、皿)、cash=/kæʃ/(キャッシュ:現金)、shift=/ʃi:ft/(シフト:移す)、shout=/ʃaʊt/(シャウト:叫ぶ)、show=/ʃoʊ/(ショウ:示す)、shine=/ʃaɪn/(シャイン:輝く)などがその例です。

 この/ʃ/の音はsh以外に、-tionや-tient、-cial、-cian、-ciousなどのときにも表れます。少し長いのが多いのですが、参考までにあげておきましょう。-tionが付くのは無数にありますが、generation=gen-er-a-tion(ジェネレーション:世代)、information=in-for-ma-tion(インフォメイション:情報)はどうでしょうか。-tionが付くのは全部名詞です。-tientの例としては、patient=pa-tient(ペイシェント:我慢強い)があります。-tientは形容詞か名詞のどちらかです。-cialはcommercial=com-mer-cial(コマーシャル:商業の)、artificial=ar-ti-fi-cial(アーティフィシャル:人口の)などです。-cialが付いたら全部形容詞です。-cianが付いているのは形容詞か名詞で、名詞の場合は「人」を表しています。例としては、magician=ma-gi-cian(マジシャン:奇術師、魔法使い)。-ciousは全て形容詞です。例としては、precious=pre-cious(プレシャス:高価な)などがあります。これらの英単語の数は数限りなくあります。たとえば、電子辞書で「~」(チルダ)という記号が使えるなら、~ciousと検索してみてください。そうすると、ものすごい量の~ciousが引っ掛かってきます。~tionで検索すると、「件数が多すぎます。1000件だけ表示します。」と警告が出ます。試しに「a~tionからc~tion」まで数えると、215ありましたので、全部列挙すると2000位行くということでしょうね。~tionがそれだけあるということです。試しに他のものも数えてみました。~tientが20個、~cialが106個、~cianが106個、~ciousが123個ありました。私は、電子辞書でジーニアス大英和を使いましたが、辞書の種類にもよるのでしょうが、いやはやものすごい数ですね。ちなみに「~」は任意の文字列を表しています。コンピュータ科学の世界などでは、「*」(アスタリスク)が使われるところです。

子音ダイグラフ:th

 thの音は舌を上の歯と下の歯の間に軽く当てて引き離す時に息を吐き出します。この時声帯を震わせないのが/θ/で、喉を震わせるのが/ð/です。声帯を振動させないタイプとしては、think=/θiŋk/(シンク:考える)、thank=/θæŋk/(サンク:感謝する)、theme=/θi:m/(シーマ:主題、テーマ)、二重母音の場合まで範囲を含めるとteeth=/ti:θ/(ティース:歯(toothの複数形))、tooth=/tu:θ/(トゥース:歯(単数形))などがあります。二重母音のeeは「イー」、ooは「ウー」です。声帯を震わせるタイプとしては、this=/ði:s/(ジス:近くのものを指す「これ」)、that=/ðæt/(ザット:手の届かないものを指す「あれ」)、they=/ðeɪ/(ゼイ:彼ら)、bathe=/beɪð/(ベイズ:(赤ちゃんや病人を)入浴させる)、clothe=/kloʊz/(クロウズ:洋服を着る)などがあります。 

子音ダイグラフ:ghとph

 phとghは/f/(上の歯を下唇に軽く触れて息を出します)です。これは必ず実行してください。例としてはphone=/foʊn/(フォウン:電話)があります。これは、e子の前のお母さんの原則が適用されるところで、「o」はアルファベット読みになっています。他にはと思ったのですがいい例が見つかりません。そこでもっと範囲を広げようと思ったのですが、二重母音が出てきてしまいます。cough、tough、rough、laughなどです。

 ouは基本的には、「アウ」と読みます(例:house、mouth、mouse、blouseなど、ouの大部分)が、ouにld、ltが続く時は「オウ」です。更にghtやghが続く時は要注意です。ghtを「t」と読むときは、「オー」で、ghを「f」と読むときは、「オー」か「ア」/ʌ/のいずれかで、ghを読まないときは、「オウ」となります。上に挙げた3つ例はいずれもghを「f」と読みます。したがって、選択肢は2つになります。しかし、後は決め手がありません。覚えるしかないと心に決めましょう。cough=/kɔ:f/(コッフ:咳をする)、tough=/tʌf/(タフ:頑丈な)、rough=/rʌf/(ラフ:ざらざらした)です。ある程度は日本語化されている英単語ですので、大丈夫でしょう。

 今度は二重母音auです。auはouほど複雑ではありません。auは「オー」/ɔ:/です。イギリス英語ではこれでいいでしょう。しかし、日本はアメリカ英語を教えています。学校英語はアメリカ英語なんです。アメリカ英語では、/ɔ:/と「アー」/ɑ:/が混在していて、/ɑ:/が主流という語もかなりあります。アメリカ英語では更に/æ/となる場合もあります。laughを辞書で引いてみると、いくつか読み方があるようですが、/lɑ:f/としておきます。

子音ダイグラフ:wh

 whは発音するときは最初にhでその後wの要領です。hは息だけで作られる無声音ですので、その後に「ウッ」と強く響きます。when(/hwen/:ゥエン:いつ)、読み方のところで「ゥエン」と書きましたが、小さいフォントの「ゥ」の前に更にフォントの小さな「フ」が入るという感じです(難しいので省略しています)、他には、why(/hwaɪ/:ゥワイ:何故)、where(/hweər/ゥエア:どこで)、white(/hwaɪt/:ゥアイト:白)などとなります。

 whereの「ere」の部分の発音記号は、辞書によって様々です。単純に/eə/とか/eər/、あるいは/eə(r)/としているのも見受けられます。それから/r/を小さくして、/ə/の右肩に乗せているのもあります。私が普段使っているジーニアスの電子辞書ではこの記号が、/ə/の変形のような感じで時計回りにぐるっと回って9時の辺りで若干上向き加減で右に線を引いて2時の辺りに戻って若干はみ出してそこにひげが生えているような発音記号が使われています。これをどこかで見つけたいなとgoogleで探し回ったのですが、どうもジーニアス独自の発音記号のような気がします。すこし、古めのジーニアスの紙の辞書をみると/eər/となっています。そこで諦めて、/eər/と表記することにしました。いろいろの辞書を調べてみましたが、イギリス英語の辞書は単純に、/eə/とか/eər/、あるいは/eə(r)/としているものだ大部分であまり悩んでいない感じです。それに引き換えアメリカ英語の辞書はさまざまに悩み抜いて独自な発音記号を採用しているという気がしました。 

子音ダイグラフ:tch

 tchの音は/ʧ/で、舌を平たく口の天井(口蓋)につけて離す時に息を破裂させ(tの音)、更に舌と口の天井の間に狭い隙間が出来た状態で残りの息を吐き出してください。この時、残りの息で出す音が/ʃ/の音で、この2つの動作を連続的に素早くやってください。catch(/kæʧ/:キャッチ:捕まえる)、fetch(/feʧ/フェッチ:取って来る)、pitch(/pɪʧ/:ピッチ:<特定の目標に向かって>投げる)、notch(/nɑʧ/:ノッチ:切り込み)、clutch(/klʌʧ/:クラッチ:ぐいっと掴む)などがあります。/ʧ/は声帯を震わせない時の音で、声帯を震わせると/ʤ/になります。/ʤ/の音は、-dgeの綴りの発音です。 

子音ダイグラフ:ng

 ngの音は/ŋ/です。舌の根元を持ち上げて口への息の流れをせき止めて、続いて鼻から息を抜いて下さい。続いて、舌の根元を下に下げながら「ング」と言いましょう。「グ」は添える程度で、はっきりとは発音しないでください。

 sing(/sɪŋ/:シング:歌う)、song(/sɑŋ/:ソング:歌)など、例はいくらでも、無数にあります。 

子音ダイグラフ:ck

 cの音は、場合によってsの音とkの音になります。cに母音の「e、i」が続く時は、「s」の音です。それから、「y」が続く時も多くはcはsの音です。それ以外は大体、cはkの音となります。ckの場合もcは形の音となりますので、同じ子音が重なることで、前の子音が脱落します(音声変化2参照)のでck=kとなります。black=(/blæk/:ブラック:黒)、neck(/nek/:ネック:首)、pick(/pɪk/:ピック:摘まみ上げる、選択する)、pocket(pock-et)(/pɑ:kət/:ポケット)(前の音節にアクセントがあるので、後ろの音節の「e」はあいまい音/ə/になっています)、luck(/lʌk/:ラック:幸運)などがあります。

子音ダイグラフ:sc

 scには2つの読み方があります。softCとhardCについて思い出してください。cに母音の「a、o、u」が続く時はs=kです。それ以外にも子音が続く時はs=kが多いです。scale=(/skeɪl/:スケイル:目盛り)、scope=(/skoʊp/:スコウプ:視野、範囲)、sculpt=(/skʌlpt/:スカルプト:彫刻する)、screw(/skru:/:スクリュー:ねじ、らせん状のもの)などです。

 cに母音の「e、i」が続く時はs=cとなります。そうすると、sc=ssとなり、音声変化が生じて前のsが脱落してsとなります。scent=(/sent/:セント:ここちよい匂い)、scene=(/si:n/:シーン:劇・映画などの場面)、science(sci-ence)=(/saˈɪəns/:サイエンス:科学)(2音節に分かれ、最初の音節にアクセントがありますので、2つ目の音節のeはあいまい音/ə/)などとなります。

 少し例外的な単語を1つ挙げておきます。それは、muscle(マッスル:筋肉)です。前回、母音がないのに1つの音節を作るという話をしました。その時に-cleの例を挙げました。「l」は子音ですが非常に強い音ですので1つの音節になります。したがって、mus-cleと音節に分解できますので、muscleのscが厳密にいうと、ダイグラフではありません。発音はmuscle(/mʌsl/:マッスル)となります。

子音ダイグラフ:dge

 dgeの音はtchで説明した/ʧ/の音を出す時に声帯を震わせる音で発音記号は/ʤ/です。dgeの音は舌を平たく口の天井(口蓋)につけて離す時に息を破裂させ、この時声帯を振動させ(dの音)、更に舌と口の天井の間に狭い隙間が出来た状態で残りの息を吐き出します。この時にも声帯を振動させます。この時、残りの息で出す音が/ʒ/の音で、この2つの動作を連続的に素早くやってください。

 badge=(/bæʤ/:バッジ:バッジ)、edge=(/eʤ/:エッジ:角)、bridge=(/brɪʤ/:ブリッジ:橋)、dodge=(/dɑ:ʤ/:ダッジ:素早く身をかわす:MLBのドジャーズの語源です。ドッジボールもここから来ています)、judge=(/ʤʌʤ/:ジャッジ:裁判する、裁判官)などです。

 「dj」でも同じ/ʤ/になることがあります。たくさんあるのですが難解な単語が多いので、少しだけ紹介しておきます。adjacent(ad-ja-cent)(/əʤeˈɪsnt/:アジェイスント:隣接した)、 adjust(ad-just)(/əʤʌˈst/:アジャスト:適合させる※最近急速に日本語の中に入ってきています。特にスポーツ関係の人に好まれているようです)などです。

子音ダイグラフ:kn

 単語の冒頭にknがあるときは、kは読まずに「n」だけの音になります。knack(/næk/:ナック:特技)、knee(/ni:/:ニー:ひざ)、knife(/naɪf/:ナイフ:小刀)、knock(/nɑ:k/:ナック:ドアなどをとんとんたたく音)、knuckle(/nʌkl/:ナックル:こぶし)などがあります。

子音ダイグラフ:wr

 語頭のwrの「w」は読みません。wrap(/ræp/:ラップ:包む:※ほとんど日本語化しています)、wrestle(wres-tle)(/resl/:レッスル:取っ組み合いをする)、wrist(/rɪst/:リスト:手首※ほとんど日本語化しています)、wrong(/rɔ:ŋ/:ローング:間違った)、wry(/raɪ/:ライ:しかめっ面の)などがあります。

子音ダイグラフ:gn

 gnが語頭あるいは、語尾にあるときは、「g」を読みません。gnome(:ノーム:地中を守るとされる地の精、しわくちゃな小さな老人の姿で表現される)、gnu(ヌィュー:ヌー)、sign(:サイン:記号)、reign(:レイン:(君主の)統治)などがあります。

 子音ダイグラフ:mb

 mbは語尾に来た時にはbを読みません。lamb(/læm/:ラム:子羊)、climb(/klaɪm/:クライム:登る)、bomb(/bɑ:m/:バム:爆弾)、thumb(/θʌm/:サム:手の親指)などがその例です。

 同じような例で、btが語尾に来た時にはbを読まないという例もあります。debt(/det/:デット:借金)、doubt(/daʊt/:ダウト:疑う)です。 

 いやー、ようやく終わりました。長かったですね。でも、これで終わりではありません。子音がつながっても、単にその子音を連続的に早口言葉のように言えばいいという場合もありますので、少し練習しておきましょう。

子音のブレンド

 異なる子音が並んで全く新しい音が生まれるのがダイグラフ(digraph)でしたが、ブレンドは並んでいる子音を一気に1音のように発音するルールです。この時には元の音が残ります。start(/stɑ:rt/:スタート:始める)、feast(/fi:st/:フィースト:祝宴)、clean(/kli:n/:クリーン:清潔な)、train(/treɪn/:トレイン:汽車)、splash(/splæʃ/:スプラッシュ:(水などを)はねかける)などがあります。これらはほんの一例です。辞書を引けば数限りなく見つかるでしょう。

 これで終わりです。後は、母音が2つ並んで新しい音が生まれるという二重母音が残っています。それから、なんとなく気付いている方もいると思いますが、rに母音が付いているタイプはあまり例に出さないようにしてきました。実は、「r」の発音が難しいうえに、このrに母音が付くと微妙にrの音も変化してしまうので、これについては後でまとめて説明したいと思います。

 次は、フォニックスのメーンイベントの「母音のペア」の発音ルールです。 

 

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