フォニックスの実践(4 母音のペア)

フォニックス<綴りと発音の関係>

 

母音がペアになっているときの発音

今回は母音が連続する場合についてです。母音には短母音(このブログではフォニックス読みとも言っています)と長母音という読み方があります。長母音はアルファベット読みです。matのように子音(C:consonant)+母音(V:vowel)+子音という並びの単語は、間に挟まれた母音は短母音(フォニックス読み)となり、C+V+C+eのように最後が、「e」で終わっている場合は、母音はアルファベット読みとなります。したがって、mat=(/mæt/:マット)、mate(/meɪt/:メイト:仲間)となるわけです。

 英語の単語は音の塊毎に発音します。音の基本は音節と言います。音節の基本はV、CV、VC、CVCで出来ています。音節が集まって1つの単語が出来上がることがあります。その時には、音節が連結した部分で、音声の変化が発生することもあります。英語の文章をしゃべるときは、ネイティブは1つの文の全部の単語を連結して、まるで長い1つの英単語のようにしゃべります。その時にも、単語と単語の連結の部分で音声変化が起こります。この時の音声変化は、音節がくっついて1つの英単語ができるときの音声変化と同じです。

 音節の基本はV、CV、VC、CVCと言いましたが、この時子音(C)は1つのこともありますが、複数のこともあります。この複数の子音の塊をどのように発音するかについては既に説明しましたので、そちらをご覧ください。今日の本題は、母音が連続して出て来る時にどのように発音するかです。これについては、長母音となるというケースがあります。例えば、shoulderという単語があります。これは発音記号で書くと、/ʃoʊldər/となります。この例では、ouのうち、最初の母音をアルファベット読みして、後の母音を読んでいません。他の例では、meatなどはどうでしょうか。meat=(/mi:t/:ミィート:肉)です。これが、母音が並んでいる時の読み方の1つです。最初の母音をアルファベット読みして、2つ目は読まないのね、簡単かんたんと思ったあなた。そうは問屋が卸しません。実は、break=(/breɪk/:ブレイク:壊す)、great(/greɪt/:グレイト:偉大な)、steak(/steɪk/:ステイク:ステーキ)などという読み方もあります。こちらは、2つ連続した最初の母音を読まずに、2つ目の母音をアルファベット読みしています。ところが、bread(/bred/:ブレッド:パン)、head(/həd/:ヘッド:頭)なんていう例もあります(かなりの数があります)。こちらは、2つ並んだ母音が新たな音を生み出しています。これが2つ目の例です。最初に例示したouですが、実はhouse(/maʊs/:ハウス:家)、mouth(/maʊθ/:マウス:口)のように/aʊ/(アウ)と読むのが一般的です。「ou」と並べると、「o」の音でもないし、「u」の音でもないものが、生まれているということになります。こういうのは二重母音(diphthong:ディフソング)と言います。

 このブログでは英語の読みを学問的に追及しているわけではありませんので、何が長母音(アルファベット読みで)で、何が二重母音(ディフソング)かという議論は止めようと思います。どうしたら、皆さんと、皆さんのお子さんたちの頭に英単語の読み方のルールがスーッと収まってくれるかということを考えると、長母音の例はこう、二重母音の例はこうとやるよりも、母音の連続でouのときはこう読む、aiのときはこういうのがあるという整理の仕方の方がいいような気がします。それが長母音なのか二重母音なのかはとりあえず気にしないことにしましょう。

aiとay:最初の母音をアルファベット読み

 aiとayの基本は最初の母音をアルファベット読みするというルールが適用されます。grain(/greɪn/:グレイン:穀物)、stain(/steɪn/:ステイン:汚れ)、mail(/meɪl/:メイル:郵便)などです。これらの例は辞書を引けばたくさん見つかるでしょう。

 ルール通りに読むのが大半ですが、若干例外があります。例外は必ず1つ1つ抑えていってください。again(a-gain)(/əgen/:アゲン:再び)、against(a-gainst)(/əgɪnst//əgenst//əgeɪnst/:アゲンスト:~に反対して)、said(/sed/:セッド:sayの過去形・過去分詞形)などです。

 gainは/geɪn/(ゲイン:有利なものを得る)とルール通りに読むのですが、gainに「a-」がついて、a-gainとなると読みが違ってきてしまいます。更に、a-gainstとなると、いくつかの読みがあってルール通りのものもあります。いくつか読みを例示しているものは最初がアメリカ英語の読みと思ってください。

 ayは語尾によく見られますが、ayもaiと同じルールです。gray(/greɪ/:グレイ:灰色)、pay(/peɪ/:ペイ:支払う)、play(/pleɪ/:プレイ:遊ぶ、演奏する)、tray(/treɪ/:トレイ:お盆)などです。

au:「オー」/ɔ:/だが、アメリカでは「アー」/ɑ:/

 auはイギリス英語とアメリカ英語の違いが出ることろです。auは基本的には/ɔ:/(オー)ですが、アメリカ英語では/ɑ:/(アー)が主流なものもあります。

 hawk(/hɔ:k/:ホーク:タカ)、fault(/ʃɔ:lt/:フォールト:欠点)、launch(/lɑ:nʧ/:ラーンチ:船などを進水させる)、laundry(laun-dry)(/lɑ:ndri/:ラーンドリ:洗濯屋)、lawn(/lɑ:n/:ラーン:芝生)、raw(/rɔ:/:ロー:生の)、straw(/strɔ:/:ストロー:麦わら)、auction(auc-tion)(/ɔ:kʃən/:オークション:競り売り)などがあります。全部、イギリス式で覚えても、何の問題もないと思います。全部イギリス式で通してしまえと覚悟を決めると、auはとても簡単です。

ea:いろいろあり-しかも、使い分けの規則なし

 母音の連続で一番難しいのがこのeaと、次に説明するouです。それ以外は簡単です。

 eaの基本は、前のeをアルファベット読みして、後ろのaを読まないタイプです。これが大部分ですが、逆にeを読まずに後ろのaをアルファベット読みするタイプが若干あります。eaを難しくしているのは、eaを/e/(エ)と読む例が相当あるということです。

 eaで前の「e」をアルファベット読みして、後ろの「a」を読まないタイプの例はたくさんあります。例えば、beast(/bi:st/:ビースト:人間以外の動物)、breathe(/bri:ð/:ブリーズ:息をする)、feast(/fi:st/:フィースト:大宴会)、meal(/mi:l/:ミール:食事)、weave(/wi:v/:ウィーヴ:織る)などです。

 eaで、「e」を読まず「a」をアルファベット読みする単語の例はあまり多くはないですが、いくつかあります。break(/breɪk/:ブレイク:壊す)、great(/greɪt/:グレイト:偉大な)、steak(/steɪk/:ステイク:ステーキ)などです。

 eaを/e/(エ)と読む例はかなりあります。bread(/bred/:ブレッド:パン)、breadth(/bredθ/:ブレッドス:幅)、cleanse(/klenz/:クレンズ:肌などを化学的処理で清潔にする)、head(/hed/:ヘッド:頭)、measure(mea-sure)(/meʒər/:メジャー:寸法を測る)などです。

 breatheのeaはeのアルファベット読みなのですが、breath(ブレス:息をする)の場合は、eaを/e/(エ)と読みます。同じように、breakのeaは後ろのaをアルファベット読みして/eɪ/(エイ)と読むのですが、breakとfast(ファスト:断食)の合成語であるbreakfastでは、eaを/e/(エ)と読んでいます。他にはclean(/kli:n/:クリーン:清潔な)とcleanse(/klenz/:クレンズ:清潔にする)などもこの関係ですね。

 eaは前のeをアルファベット読みして、後ろのaを読まないタイプと、逆で前のeを読まずに後ろのaをアルファベット読みするタイプと、更に全く新しい音を生み出すタイプ(いわゆる二重母音)の3通り分かれていてしかもそのうちのどのタイプかを見分ける指標のようなものが全くないことです。何度も何度も読んで馴染んでいくしかありません。しかも、eaのペアを使った英単語は数限りなくあるといっても言い過ぎでない位にたくさんあります。

ou:いろいろあるけど、規則的

 ouもいろいろの読み方がありますが、こちらは若干の例外はあるものの指標のようなものがありますので、それを頼りに読み分けてください。

 ouの基本は/aʊ/(アウ)で、ほとんどこれだと思って間違いありません。例は数限りなくありますが、少し示してみましょう。blouse(/blaʊs/:ブラウス)、bound(/baʊnd/:バウンド:ボールなどが弾む)、count(/kaʊnt/:カウント:数える)、doubt(/daʊt/:ダウト:疑う)、house(/haʊs/:ハウス:家)、mouse(/maʊs/:マウス:ネズミ)、mouth(/maʊθ/:マウス:口)、shout(/ʃaʊt/:シャウト:叫ぶ)など例はいくらでも見つかります。

 ouの次にldやltが続くと、ouは/oʊ/や/əʊ/となります。例としては、boulder(boul-der)(/boʊldər/:ボウルダー:巨石)、shoulder(/ʃoʊldər/:ショウルダー:肩)、poultry(poul-try)(/poˈʊltri/:ポウルトリィ:食用の鳥)などがあります。

 さらに迷路に入ります。注意して進んでください。ouにghが続く時、ghを読まないか、/f/(フ)と読むかで道が分かれ、更にghにtがついてghtを/t/(トゥ)と読むときで枝分かれします。

 ouに続くghを読まない場合は、/oʊ/(オウ)という発音になります。例としては、dough(/doʊ/:ドゥ:パン生地をこねる)(※ドーナッツを思い出して)、though(/ðoʊ/:ゾウ:~だけれども)などがあります。

 ouに続くghを/f/(フ)と読む場合は/ʌ/(喉の奥からつよく「ア」)という場合と、/ɔ:/(オ)という場合に枝分かれます(/ɔ:/という発音記号は口を大きくアーンと開けた時のイメージ図です)。例としては、rough(/rʌf/:ラフ:表面がざらざらした)、tough(/tʌf/:タフ:頑丈な)、cough(/kɔ(:)f/:コッフ:咳をする)などがあります。発音記号の中の「:」はその音を伸ばすという意味の記号です。伸ばすか伸ばさないかは自分の好みで決めてください。

 ouにghtが続いて、これを/t/(トゥ)と読む場合は、/ɔ:/(オー)と読みます。例としては、bought(/bɔ:t/:ボード:buyの過去・過去分詞)、fought(/fɔ:t/:フォート:fightの過去・過去分詞)、thought(/θɔ:t/:ソート:thinkの過去・過去分詞)などがあります。

 これだけ枝分かれしたのに更にこのルールに乗っからない例外がいくつかあります。through(/θru:/:スルー:~を通りぬけて)(※ouの後に読まないghが続く時は、/oʊ/(オウ)が原則なのに/u:/と読む)、drought(/draʊt/:ドラウト:干ばつ)(※ouの後のghtを/t/(トゥ)と読む場合は、/ɔ:/(オー)が原則なのに/aʊ/と読んでいる)、country(/kʌntrɪ/:カントリ:国)(※原則通りだと/aʊ/と読むべきところを/ʌ/と読んでいる)などです。county(/kaʊnti:/:カウンティ:郡)はルール通りなのに、countryは例外です。

 ouは確かに大変なのですが、読み分けの指標というか目印が付いていますので、これさえ覚えてしまえば後は数個の例外を覚えるだけです。eaのように使い分けの目安もないというのとは大違いです。意外に楽勝です。

 eaとouは大変でしたがもう峠は越えました。これから先は、殆ど例外のない世界が広がります。らくちんらくちんです。

oa:最初の母音をアルファベット読み

 oaはとても簡単です。最初の母音をアルファベット読みして、2つ目は読まないというルール通りです。例としては、boat(/boʊt/:ボウト:小舟)、coach(/koʊʧ/:コウチ:スポーツなどの指導員)、coast(/koʊst/:コウスト:海岸)、float(/floʊt/:フロウト:水面・空間に浮かぶ)、load(/loʊd/:ロウド:荷物)、road(/roʊd/:ロウド:道路)、soap(/soʊp/:ソウプ:石鹸)、approach(ap-proach)(/əporʊʧ/:アプロウチ:近づく)などがあります。無数にあるといってもいいでしょう。

ただし、例外はbroadです。broad(/brɔ:d/:ブロード:広い)、abroad(a-broad)(/əbrɔ:d/:アブロード:広い所へ)、更にbroadband(broad-band)(/brɔ:dbænd/:ブロードバンド:帯域幅が広い)、broadcast(broad-cast)(/brɔ:dkæst/:ブロードキャスト:放送)、Broadway(Broad-way)(/brɔ:dweɪ/:ブロードウェイ:ニューヨーク市内の有名な通り)なども同様です。

oo:「ウー」/u:/、あるいは「ウ」/u/

 ooで終わる語、「oo+子音」、「oo+子音+e」で終わる語など、ooは大抵の場合、/u:/(ウー)か/ʊ/(ウ)です。book(/bʊk/:ブック:本)、foot(/fʊt/:フッド:足)、proof(/prʊf/:プルーフ:証拠)、shoot(/ʃu:t/:シュート:矢などを撃つ)、tooth(/tu:θ/:ツース:歯)、wood(/wʊd/:ウッド:木材)などたくさんあります。

ee:「イー」/i:/

 eeで終わる語、「ee+子音+母音」で終わる語は必ず/i:/(イー)、「ee+子音」で終わる語も大抵は/i:/(イー)です。bee(/bi:/:ビー:ミツバチ)、free(/fri:/:フリー:自由な)、breeze(/bri:z/:ブリーズ:そよ風)、squeeze(/skwi:z/:スクゥィーズ:絞る)、green(/gri:n/:グリーン:緑)、keep(/ki:p/:キープ:状態を保つ)、need(/ni:d/:ニード:~する必要がある)、sheep(/ʃi:p/:シープ:羊)などのたくさんの例があります。

ie:いくつかの読み方があるが規則的

 ieは/i:/(イー)と読みます。特に、「ie+子音+e」で終わる語は大抵/i:/(イー)です。例としては、achieve(a-chieve)(/əʧi:v/:アチーブ:達成する)、chief(/ʧi:f/:チーフ:組織などの長)、field(/fi:ld/:フィールド:野原)、piece(/pi:s/:ピース:ひとかけら)などたくさんあります。

 「子音+ie」で終わる語は/aɪ/(アイ)と発音します。lie(/laɪ/:ライ:嘘をつく、横たわる)、pie(/paɪ/:パイ:パイ)、tie(/taɪ/:タイ:紐を結ぶ)などです。ただし、これにはcookie(/kʊki:/:クッキー:ビスケット)のような例外があります。

 「ie+ty」の場合は、/aɪə/(アイア)と読みます。anxiety(/æŋzaɪəti:/:アングザイアティ:心配)、society(/səsaɪəti:/:ソサイアティ:社会)、variety(/vəraɪəti:/:バライァティ:変化に富むこと、多様性)などがあります。

 もともとfryのように/aɪ/(アイ)と発音していた語を過去形に直すためにyを「i」に変えて、iedと直した場合は発音は/aɪ/(アイ)のままです。fried(/fraɪd/:フライド:fryの過去形)、tried(/traɪd/:トライド:tryの過去形)などがあります。

ow:「アウ」/aʊ/か、「オウ」/oʊ/

 ouの読みは「ow+d」「ow+l」「ow+n」で終わる語は/aʊ/(アウ)です。例としては、crowd(/kraʊd/:クラウド:群衆)、owl(/aʊl/:アウル:フクロウ)、clown(/klaʊn/:クラウン:道化師)、down(/daʊn/:ダウン:下へ)、frown(/fraʊn/:フラウン:しかめっ面をする)、town(/taʊn/:タウン:町)、browse(/braʊz/:ブラウズ:本などを拾い読みする)などがあります。例外は、bowl(/boʊl/:ボウル:椀)、growth(/groʊs/:グロウス:成長)、own(/oʊn/:オウン:自分自身の)です。

 owが語尾に来るときは/oʊ/(オウ)と読むことが多いようです。arrow(ar-row)(/æroʊ/:アーロウ:矢)、bow(/boʊ/:ボウ:弓)、crow(/kroʊ/:クロウ:カラス)、flow(/floʊ/:フロウ:流れる)、row(/roʊ/:ロウ:列)、sow(/soʊ/:ソウ:種をまく)、throw(/θroʊ/:スロウ:投げる)、tow(/toʊ/:トウ:車などを牽引する)などです。ただし、allow(al-low)(/əlaʊ/:アラウ:許す)のように、/aʊ/(アウ)と読む場合も相当数あります。brow(/braʊ/:ブラウ:眉毛)、cow(/kaʊ/:カウ:乳牛)、endow(en-dow)(/endaʊ/:エンダウ:授ける、寄贈する)、now(/naʊ/:ナウ:今)、vow(/vaʊ/:ヴァウ:誓う)などです。

 owが音節の最後に来ているが、その後に別の音節が続いている場合は/aʊ/(アウ)が多いようです。coward(cow-ard)(/kaʊərd/:カウアァド:臆病者)、flower(flow-er)(/flaʊər/:フラゥワー:花)、powder(pow-der)(/paʊdər/:パウダー:粉)、towel(tow-el)(/taʊəl/:タウェル:タオル)などです。

eu:「ウー」/u:/か「ィウー」/ju:/、外来語起源の難単語

 euはギリシャ語やフランス語から入ってきた語に多いようです。/u:/(ウー)とか/ju:/(ィウー)と読みます。ewも大体同じですが/ju:/(ィウー)が多いです。

 brew(/bru:/:ブルー:ビールなどを醸造する)、crew(/kru:/:クルー:乗組員)、neutral(/nju:trəl/:ニィユートラル:中立の)、nephew(neph-ew)(/nefju:/:ネフィユー:甥)、queue(/kju:/:キィユー:列)、screw(/skru:/:スクルュー:らせん状のもの)、shrewd(/ʃru:d/:シュルード:ずる賢い)、stew(/stju:/:スティユー:とろ火で煮込む)、view(/vju:/:ヴィュー:景色)などです。

ei:「エイ」/eɪ/か「イー」/i:/

 eiは/eɪ/(エイ)か/i:/(イー)のいずれかです。eight(/eɪt/:エイト:8)、freight(/freɪt/:フレイト:長距離貨物輸送)、surveil(sur-veil)(/səveɪl/:サーベイル:監視する)、veil(/veɪl/:ヴェイル:かぶり布)、weight(/weɪt/:ウェイト:重さ)。特にcの後にeiが続きceiとなる時はほとんどが/i:/(イー)です。ceiling(ceil-ing)(/si:lɪŋ/:シーリング:天井)、perceive(per-ceive)(/pərsi:v/:パーシーヴ:知覚する)、receive(re-ceive)(/rɪsi:v/:レシーヴ:受け取る)、receipt(re-ceipt)(/rɪsi:t/:レシート:領収書)(※発音注意。pを読まない)、seize(/si:z/:シーズ:グイッと掴む)、leisure(lei-sure)(/li:ʒər/:リージャ:余暇)、caffein(e)(caf-fein(e))(/kæfi:n/:カフィーン:カフェイン)などがあります。

 例外はheir(/heə/:エア:相続人)、height(/haɪt/:ハイト:高さ)です。

ue:「(ィ)ウー」/ju:/か「ウー」/u:/

 ueが語尾に来るときは、/u:/(ウー)か/ju:/(ィウー)と読みます。barbecue(bar-be-cue)(/bɑ:bɪkju:/:バービキュー:野外炉で作った料理)、clue(/klu:/:クルー:手掛かり)、continue(con-tin-ue)(/kəntɪnju:/:カンティニュー:ある動作が間断なく続いている)、glue(/glu:/:グルー:接着剤)、hue(/hju:/:ヒィユー:色合い)、rescue(res-cue)(/reskju:/:レスキュー:人などを差し迫った危険から救う)、statue(/stæʧu:/:スタチュー:銅像)、sue(/su://sju:/:シュー:訴えを起こす)、tissue(tis-sue)(/tɪʃu://tɪsju:/:ティシュ:動植物の組織、ティシュペーパー)、true(/tru:/:トルー:本当の)などです。

ui:フランス語起源の単語は英語の読みのルールから外れる

 英語にはフランス語起源の英単語がかなりありますが、そのような単語は元々の発音をある程度引きずっていますので、当然英語の読みのルールから外れることが多くなります。ギリシャ語起源の英単語の発音なども要注意です。

 uiはフランス語などに起源のある若干難しめの英単語が多く、いろいろの発音がありますので注意してください。

 uiは/u:/(ウー)と読むことが多いです。cruise(/kru:z/:クルーズ:船が巡行する)、fruit(/fru:t/:フルーツ:果物)、juice(/ʤu:s/:ジュース:果汁)、pursuit(/pərsu:t/:パシュート:追跡)、suit(/su:t/:スーツ:同じ生地で作った上着とズボンの揃い)などがあります。

 -guishと続く時は、/wi:/(ウィ)です。distinguish(dis-tin-guish)(/dɪstiŋgwɪʃ/:ディスティングゥイッシュ:区別する)、extinguish(ex-tin-guish)(/ɪkstiŋgwɪʃ/:イクスティングゥイシュ:火などを消す)、languish(lan-guish)(/læŋgwɪʃ/:ラングウィシュ:元気がなくなる)などです。

 -quiと続く時、quはkwですので、kwiとなり発音は/kwi:/(クゥィ)/kwə/(クゥア)、とか/kwæ/(クゥア)となり(アクセントがどこにあるかの違いと思ってください)、uiの発音ルールからは外れます。acquire(ac-quire)(/əkwa’ɪər/:アクワィアー:獲得する)、acquisition(ac-qui-si-tion)(/ækwəzɪˈʃən/:アクァジション:獲得)、 equivalent(e-quiv-a-lent)(/ɪkwivlənt/:エクィヴァレント:同等の)などがあります。

biscuit(bis-cuit)(/bɪˈskət/:ビスカット:)はアクセントの位置が他に行ってしまったので、uiの部分はあいまい音となっています。例外というほどのことはないでしょう。アクセントのない母音はあいまい音になります。

 例外としては、build(/bɪld/:ビルド:建設する)、guilty(gilt-y)/gɪlti:/:ギルティ:有罪の)などがあります。 

oi:「オイ」/ɔɪ/

 oiやoyは/ɔɪ/(オイ)です。boil(/bɔɪl/:ボイル:ゆでる)、choice(/ʧɔɪs/:チョイス:選択)、coin(/kɔɪn/:コォイン:硬貨)、oil(/ɔɪl/:オイル:油)、boy(/bɔɪ/:ボイ:少年)、enjoy(en-joy)(/enʤɔɪ/:エンジョイ:楽しむ)、toy(/tɔɪ/:トイ:おもちゃ)などがあります。

al:「オー」、ただし例外多数

 alは基本的には/ɔ:l/(オール)と読みますが、アメリカ英語では/ɑ:l/(アール)もよく使われます。almighty(al-might-y)(/ɔ:lmaɪti/:オールマイティ:全能の)、almost(al-most)(/ɔ:lmoʊst/:オールモスト:ほとんど)alter(al-ter)(/ɔ:ltə/:オールタ:作り変える)、always(al-ways)(/ɔ:lweɪz/:オールウェイズ:いつも)、bald(/bɔ:ld/:ボールド:はげた)、false(/fɔ:ls/:フォールス:間違った)、salt(/sɔ:lt/:ソールト:塩)、waltz(/wɔ:lts/:ゥオールト:ワルツ)などです。アメリカでは/ɑ:l/(アール)もよく使われますが、イギリス式で押し通しても構いません。

 alは「l」を読まず、「a」だけを、/ɔ:/(オー)とか/ɑ:/(アー)と読む場合もありますので注意してください。almond(al-mond)(/ɑ:mənd/:アーモンド:アーモンド)、calm(/kɑ:m/:カーム:穏やかな)、palm(/pɑ:l/:パーム:手のひら)、stalk(/stɔ:k/:ストーク:獲物をそっと追う)などです。

 それからalは例外がかなり多いので1つ1つ覚えてしまってください。alarm(a-larm)(/əlɑ:ˈm/:アラーム:驚き)、album(al-bum)(/æˈlbəm/:アルバム:アルバム)、alcohol(al-co-hol)(/æˈlkəhɔ:l/:アルカホール:アルコール)、algebra(al-ge-bra)(/æˈlʤəbrə/:アルジャブラ:代数学)、algorithm(al-go-rithm)(/æˈlgərɪðəm/:アルガーリズム:算法)、alibi(al-i-bi)(/æˈləbaɪ/:アラバイ:現場不在証明)、alien(al-ien)(/eˈɪljən/:エイリィェン:外国人の)、alike(a-like)(/əlaˈɪk/:アライク:似ている)などです。

語尾のy:「アイ」/aɪ/

 語尾のyは/aɪ/(アイ)と読むのが原則ですが、その前にoがあって語尾がoyで終わるときや、前にaがあって語尾がayで終わるときは母音ペアのルールを参照してください。語尾がyeについても語尾のyと同様に/aɪ/(アイ)と読みます。

 ally(al-ly)(/elaˈɪ/:アライ:同盟する)、fry(/fraɪ/:フライ:油を使って加熱調理する)、rely(re-ly)(/rɪlaˈɪ/:リライ:頼る)、shy(/ʃaɪ/:シャイ:恥ずかしがり屋の)、spy(/spaɪ/:スパイ:密偵)、dye(/daɪ/:ダイ:染料)、rye(/raɪ/:ライ:ライムギ)などの例があります。 

語尾のo:「オウ」

 「子音+o」のoは/oʊ/(オウ)と読みます。ooについては母音のペアの部分を参照してください。auto(au-to)(/ɔˈ:toʊ/:オートウ:自動車)、hiro(he-ro)(/hiˈ:roʊ/:ヒーロウ:英雄)、piano(pi-a-no)(/piæˈnoʊ/:ピィアノウ:ピアノ)、radio(ra-di-o)(/reˈɪdioʊ/:レイディオ:ラジオ)、soprano(so-pra-no)(/səpræˈnoʊ/:ソプラノウ:ソプラノ)などがあります。

 母音のペアの読み方をマスターすると、パーッと目の前の視界が開けたように、読める英単語の世界が広がります。残りはr絡みの母音です。そして最後に残るは、psychology(psy-chol-o-gy)(/saɪkɑ:ləʤi:/:サイコロジイ:心理学)(※先頭のpを読んでいません)のような難しい単語だけですね。これについては、また稿を改めて説明します。

 次は、最後のフォニックスルールです。「rに制御された母音」について学びます。

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