数学研究室

 2024年の暮れに深夜テレビを見ていました。番組表を表示するとNHKで「笑わない数学」という番組をやっていました。私は、数学好きなので、迷わずチャンネルを合わせてしまいました。そうするとパンサーの尾形さんが番組のMCをやっています。その番組の中で、次回は「コラッツ予想」についてやりますという案内がありました。そこで、コラッツ予想がとても難問であるという話をしていました。これは再放送だったのだと思います。次回と言うのは次の日の事でした。ということは、2024年の12月の30日の深夜、正確に言えば既に31日になっているという時間帯でした。時間は深夜の2時位だったと思いますが、迷わずに視聴しました。とても興味深い内容でした。それから、インターネットでコラッツ予想がどういうものかを調べて、その後直ぐに自分でもそれに取り組んでいました。不遜にも自分には解けると思ったからです。私は、この時に、現代の難しい数学では絶対に解けないと直感しました。解けるとするなら、自分のような専門外の人間だと思ったのです。その日から、2か月半位、来る日も来る日もコラッツ予想と格闘しました。家族から見ると、何かにとりつかれているように見えたのかもしれませんね。しかし、全く回答の糸口が見つかりませんでした。

 用事があって車で千葉に行った帰り道、車の運転中に突然証明方法を思いつきました。あまりの喜びで、助手席に座っていた娘に解けたことを告げました。娘もとても喜んでくれたのですが、自宅に帰ってインターネットを見ると日本人の研究者がコラッツ予想の証明をしたというニュースが目に飛び込んできました。3月12日だったと思います。私はがっかりしてしまいました。娘はもっとがっかりしていました。論文は1番乗りでない限り無価値と思っていたので、その日から、コラッツ予想は頭からスーッと離れてしまいました。でも、何日かすると、今度はアメリカの女子学生がピタゴラスの定理の新しい証明方法を考えたというニュースが飛び込んできました。そうか、コラッツ証明が一番乗りでなくても、証明方法が1番乗りの人と違っていれば、たとえ1番でなくても何らかの価値があるのかもしれないと思い込んで、数学論文として発表する価値はないけれども、インターネットに掲示して、皆さんの批判を仰ぐということに何らかの意味があるかもしれないと思い直しました。

コラッツ予想の証明の概要

 任意の正の整数を16を基数としてan16n+an-116n-1+…+a116+a0と表します(an、an-1、…a1、a0は1から15までの整数とします)。これらの整数を最小桁の数によってタイプに分けます。最小桁の数が偶数の場合は、2で割る操作を繰り返すことで奇数になりますので、奇数についてだけ考えることとします。タイプはタイプ1、タイプ3、タイプ5、タイプ7、タイプ9、タイプ11、タイプ13、タイプ15に分けられます。整数にコラッツ操作を施すと、タイプ毎に同じ動きをします。そして、あるタイプから別のタイプに移行します。この時には、選択先が2つある場合、4つある場合、8つある場合があり、それぞれ、選択肢のどれが選ばれるかは、小さい方から2つ目の桁の偶数・奇数によって決まります。つまり、a0がタイプを決め、a1がコラッツ操作の結果どのタイプに移動するかを決めていることになります。このタイプ別の遷移をタイプ遷移図として表現することが出来ました。以上より、a1とa0が同じ整数は、タイプ遷移図上の同じルートを通ることになります。

 an-1からa0までが全く同じで、anだけが異なる2つの整数A、Bに1回のコラッツ操作を施すと、A、Bはanからa0までの各桁の数は変化しますが、操作後のA、Bの各桁を比較すると、少なくとも、a0からan-2までは全く同じです。an-1からa0までが全く同じで、anだけが異なる2つの整数A、Bに1回のコラッツ操作を施すと、同じ数の桁が最大で1つだけ減少します。場合によっては全く減少しません。これは、コラッツ操作を施すたびに同じ数の桁の連続が最大で1つずつ短くなるということを意味します。

 コラッツ操作を施し続けると、ある時a1=0、a0=1となります。そして、その前の処理で必ず、a1=1、a0=0となっていることが分かります。この時に最小桁の0を取り払って、全体の桁をずらすことが出来ます。なぜなら、a1=1、a0=0の場合は、16の倍数となるので、割る2の処理を4回することが出来、その結果、桁を減らすことが出来ます。このときに、最小の2桁が受けている処理と、それよりも大きな桁の処理は同期していますので、上の桁が増えてしまうことはありません。つまり、コラッツ操作を繰り返すことで、桁を削減できることが分かります。

 次に、コラッツ操作を繰り返すことで、最小桁a0=0、その上の桁a1=1となるまで、桁の変化がa1にまで影響を与えない場合とはどんな場合なのかを検証しました。その結果、a0とa1の違いによって異なるのですが、最大は、a1=14、a0=11の場合で、51回であることが分かりました。これは何を意味しているかと言うと、最大桁が53桁であるならコラッツ操作をして、a0=0、a1=1になるまで、操作の影響がa1に及ばないということです。つまり、3から1653-1までの数のパターンを用意しておくと、54桁以上のあらゆる整数が、コラッツ操作を行うことで、桁数を削減でき、53桁以下が自分と同じ整数を見つけ出すことが出来ます。更に、コラッツ操作を行うと、桁数を削減でき、更に53桁以下が自分と同じ整数を見つけ出すことが出来ます。このようにコラッツ操作を繰り返すことで、桁の数を削減でき、最終的に、53桁以下の数にまでなり、その中に自分と全く同じ整数を見つけることが出来ます。従って、もし仮に1653-1までの整数で、コラッツ予測が正しいということを証明できれば、どんなに大きな整数に対してもコラッツ予想は成り立つことが分かります。

以上が証明になります。

もちろんまだ実際には268までしか証明はできていないようですので、1653は気の遠くなる数字ですが、いつかは必ず証明できるということになると思っています。詳しくは、https://kmownet.com/collatz-conjecture/でお読みください。読んだらご批評を頂けると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

上の証明は、私が証明を考える時の試行錯誤がそのまま残っていて数学の証明として少し冗長であることが分かりましたので、改訂しました。改訂版はこちらです。試行錯誤の過程が残っているので初版も残しています。

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